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  • 2021/01/16 00:09

    11月下旬にイギリスより届いたトカゲのブローチですが、右目のロスと背中のグラス1つのクリーニングを終え、戻ってきました。約2カ月ぶりの対面でしたが、より魅力的にいきいきとしたように感じます。

     

    私が信頼しているジュエラーは生粋の職人気質で確かな腕を持ち、こちらの技術の及ばない所をフォローしてくれます。右目に関しては同じような色のグラスを探して、加工し、アンティークのものと違和感なくセットしてくれました。2カ月ぶりのトカゲはより可愛らしく、何だか喜んでいるようです。

     

    私は長らくヴィンテージやアンティークのものを愛好し、ユーザーとして過ごしてきました。美術品のような高価なものより、どちらかというと、いにしえの普通に暮らす人々が大切にしてきた、手仕事を感じられるものに惹かれます。

     

    また、少し壊れてしまったもの、何か足りなくなってしまったものにも愛着を感じます。私が20年程所有しているヴィンテージドールは、お腹と腰に割れがあり、着替えさせる時、身体がバラバラになるなど、なかなかオカルトの様相です。でも、出会った時、「これは運命の子だ」と思ったんですね。以来、ずっと大切にしています。足りなかったり、壊れていたとしても「個性」として丸ごと愛せると思えたのです。

     

    50年、100年の時を人から人へと渡って来て、完璧で新品に近いものがあったとしても、それだけでは魅力を感じません。美しく、個性的なフォルム重視なのはもちろんですが、小傷の一つ一つにどんな物語があったんだろうと想像するのが好きです。

     

    ロスしたピースは、この世から無くなってしまったわけではないと思っています。遠く異国の地で(草むらだったり、街角の土の中だったり、また、湖の底だったり…)、気の遠くなるような時間を本体と同じように過ごし、誰にも愛でられる事も無く、ひっそりと煌めいているかもしれない…。そう思うだけで、何だか胸の奥がじーんと熱くなります。

     

    アンティークのジュエリー、一つひとつに物語があり、ジュエリーが見て来た歴史がありますよね。そこに思いを馳せるのもアンティークジュエリーの愉しみのひとつです。

     

    20代の頃、蜻蛉玉に魅せられて、安曇野の工房に通っていました。一通り、アクセサリー製作の基本は心得ているつもりですが、技術の及ばない所をフォローしてくれるジュエラーがいるからこそ、「宝物を宝物として橋渡しする」事ができるのだと思います。

     

    16日、帰ってきたトカゲをショップにアップします。宜しければ、ご覧下さいませ。