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  • 2024/05/05 20:47


    アンティークジュエリーのたのしみの一つに、「パーソナルな刻印との出会い」が有ります。
    こちらの15金のツバメには「5.5.09」(1909年5月5日と推察)と手彫りの数字が有り、まさに115年前の今日を刻んでいます。
    …英国、花々が咲き誇り風薫る5月、大切な方への特別な贈り物だったのでしょうか。

    1909年といえば、エドワード朝後期、イギリスが栄華を極めていた時代。ハレー彗星の大接近があるのはこの1年後、タイタニック号が氷山に衝突するのは3年後です。

    映画やドラマ、または美術展等でその時代を思い描き、当時を生きる人々を思い浮かべて、そこにあった喜怒哀楽や様々なストーリーを想像するのは、たのしいひとときです。アンティークジュエリーに刻まれた私的な刻印は、物語を纏うような幸せを感じさせてくれます。



    ▼【右上】ふっくらとしたツバメの腹部へ繊細に彫られた文字。中空のつくりなので、へこみや歪みが出ないよう、細心の注意を払い彫金を施したのでしょう。翼には現在はつくられていない、アンティークならではの15金の刻印が打たれています。
    ▼【左上】「S」と「B」が一体になったモノグラムのロケット。スネークやロープを想起させる「S」のデザインが魅力的。ヴィクトリア女王が好んだ蛇のモチーフは、ヨーロッパで広く流行しました。ロープは「縁」をあらわすモチーフ。
    ▼【右下】「1916」と「S・N・K.」、2つではない3つの文字に、様々な解釈を生む興味深いデイジーリング。
    ▼【左下】「ETHEL」と美しい飾り文字が彫られたマイクロモザイクのブローチ。「1892」「ND(ナタール・デイ」で、誕生日の贈り物と推察。